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2023.10.13

イベント

【ネタバレあり】★10月6日(金)スタッフトークレポート★

大ヒットの勢いを証明するかのように、満員に膨れ上がった会場には、スタッフトークの前に応援上映を実施していたこともあり、思い思いのグッズを手にしたファンや友人と一緒に楽しんでいたことが伺える10~20代女性の姿も多く見受けられました。応援上映の興奮そのままに20周年記念作品である本作のスタッフが初めて登壇するイベントで、制作の裏話や誕生秘話が聞けるとあって、多くの観客が期待を胸に開始を待ちわびていました。また、本イベントはT・ジョイ梅田へも生配信され大阪のファンも楽しませました。

 そんな中、田中仁さん(脚本)村瀬亜季さん(企画)田中昂さん(企画)が登壇。大ヒットを祝福する大きな拍手で会場は包まれると、田中裕太さん(監督)板岡錦さん(総作画監督・キャラクターデザイン)の2人が客席から現れ、イベント前に行われていた応援上映から参加していたというサプライズでさっそく会場を沸かせていました。さらに、登壇者5名はお揃いのジャンパーを着用しており、なんと板岡さんがオリジナルでデザインしたキュアプーカが背中に描かれたスタッフジャンパーとのこと。阿吽の呼吸で制作を進めた抜群のチームワークの秘密が垣間見える瞬間でした。

 さっそく、MCより応援上映に参加した感想を聞かれると、田中裕太監督は「背中から皆さんの声援がすごく聞こえてきて、圧倒されました。皆さん応援ありがとうございます。楽しかったです」と答え、続いて板岡さんも「この仕事が出来て良かったです。本当にありがとうございます」と、熱い応援をしてくれた満員の観客に感謝を伝えると会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

 続いて、SNSを賑わせたタイトルの“F”に込められて意味について村瀬さんと田中昂(企画)さんに質問が飛ぶと、村瀬さんは「タイトルの“F”についてお話させていただくと、プリキュアの持っている大切なものがたくさんあるので、そういった大切なものを“F”の中に込めさせていただきました。“Final”という言葉についてなのですが、今回の制作に関わったスタッフとしては、もしこの映画がオールスターズ映画の最後だったとしても、悔いが残らないように全力でこの映画を作ろうという想いも込めていました」と作品に込めた想いについて話すと、田中昂さんは、「もちろん“Forever”のようにずっと続くという意味もあるのですが、本作の持つメッセージとして“終わらせない”というところが強い。なので“Not Final”なんです」と話すと、おもむろにスクリーンに投射されていたタイトルロゴを指さしながら「実はタイトルの背景にリボンで“Not”を意味する“N”を隠していました。今日のイベントで初めてお話させていただきました」といままで明かされなかった事実を話すと、会場からはどよめきが生まれ一様に隠された事実に驚いている様子でした。

 公開前から話題になっていた、田中裕太監督と田中仁さん(脚本)のタッグについて聞かれると、田中裕太監督は「今回もよろしくお願いしますという感じで、何も心配していませんでした。今回で4回目になるので、チーム感というか深い縁を感じますね。仁さんには今回も良い仕事をしていただいて、自分の拙いイメージをいい感じに広げていただいて、73分という限られた時間の中に収めていただいて…流石だなと感謝しています」と答え、田中仁さん(脚本)も「もちろん田中裕太監督だったら、間違いないので是非やらせてくださいとお願いしました」と、お互いに全幅の信頼を寄せていることを改めて話しました。

 板岡さんにも本作に参加した経緯について質問が飛ぶと、「インタビューでも何度かお話させていただいていて、自分でもインタビューを読み返すと田中裕太監督に恋する乙女にようになっていて…。作品をご覧いただいた方ならわかると思うのですが、この人が作るなら間違いない。この人と一緒に仕事がしたい。という思いがずっとあったので志願しました」と、熱い気持ちで本作に参加したことを明かしてくれました。

 続いて「プリキュアって何?」という本作の大きなテーマについての質問になると、田中裕太監督は「今回のテーマを考え始めた時に、20年続いたシリーズで自分の中でプリキュアの定義を考えるようになって、多様なプリキュアがいる中で、改めてこのタイミングにテーマとしてやってみようと思いました」と話すと、村瀬さんと田中昂(企画)さんが「その答えを探すために、深夜まで打ち合わせをしました。ほぼ朝になっていましたね」とテーマの答えを描くまでの苦労を話しました。

 そんな大きなテーマの中で、全78人のプリキュアを登場させる大変さについて、田中仁さん(脚本)は「78人という人数に関しては深く考えて悩みもありました。「Go!プリンセスプリキュア」で初めてシリーズ構成として参加したときに、気付いたことがあって、それまでは各話で参加していたのでキャストの方々と話す機会はなかったのですが、シリーズ構成という立場になって、直接話すこともあるし、オーディションを目の当たりにすることもあって、皆さんがプリキュアという役柄に対して、どれくらいの想いをかけているかというところを目の当たりにしました。キャストの方々は自分の向き合っているキャラクターがすべてなので、その想いに負けないように1人1人の想いをきちんと描かないといけない。今回はそれが78人だったので本当に難しかったです」と作品に関わるすべての人の想いを背負って脚本を書いたことを明かしてくれました。

 イベントも終盤に差し掛かったところで、物語の大きな鍵を握るキャラクターの“キュアシュプリーム/プリム”についての話に。田中裕太監督はキュアシュプリーム/プリムにつて「キュアシュプリーム/プリムは人間とはちょっと違う異質な生き物というイメージで、効果音にもこだわっています。効果音の打ち合わせをした時に、足音に特徴をつけたいとお願いしました。『足音を変えてしまったら、足音とわからない』と担当の方からも言われたのですが、このキャラクターの特徴になりますので、と改めてお願いして、もう一度考えてもらうことになりました。打ち合わせはそこまでで、次に音を聞くタイミングがダビングという音付けのタイミングだったのですが、その時に“コンコンコンコン”という、あの特徴的な音が聞こえてすごく良い音が付いていると思いました。実は足音だけでなく衣裳の擦れの音や声以外にシュプリームが出す音にはすべて加工がかかっていて不思議な感じになっているのです。改めて聞いていただけると、何か耳障りがいいというか」とこだわった注目ポイントについて話してくれました。また、板岡さんから「キュアシュプリームは何で最後黒いの?」という質問が飛ぶと、田中裕太監督は「あれは人間になったという意味なのです。もともとキュアシュプリームは異界から来た神というイメージで、もともとは神様なので完璧な存在。だから全身の色が無垢な真っ白というイメージです。なので、最後のシーンは生まれ変わったイメージで神様だった、完全な存在だったものがプリキュアと触れ合い、自分の中の他人という、プーカを生み出したことで100という完璧な存在から、不完全な存在になったというイメージ。だから真っ白ではなくて別の色になったのです」と、神秘的なキャラクターとして話題のキュアシュプリーム誕生の秘密を明かしくれました。

 イベントの最後には、10月13日(金)に、シリーズで初めて、全国47の全ての都道府県での応援上映の開催が決定したことがサプライズ発表(詳細はこちら:https://2023allstars-f.precure-movie.com/news/?p=521)!会場は更なる盛り上がりを見せ、村瀬さんは「この映画を大きくしてくださっているのは、今ここにいる皆さんだと思っています。47都道府県での応援上映もそうですが、私たちの力だけではできないところまで大きくしてくださってありがとうございます!ぜひ何度も観ていただいて、皆さんの心に残る作品になればいいなと思います」とファンへの感謝の気持ちとともに、次回の応援上映を楽しみに待つファンに向けて話しました。 そして最後に、田中裕太監督が「約10数年プリキュアに関わってきて、長い時間を過ごしているのですが、シンプルに自分の中で総決算という形でオールスターズ映画に出来るといいなと思って1年以上過ごしてきました。いろいろな方々の力を借りて、ここにいるみんなもそうですし、スタッフルームにいる仲間たちもそうですし、そして何よりご覧いただいた観客の方々に感謝します」と、本作に関わったすべての人や、応援してくれた多くのファンに感謝を述べると、会場は大きな拍手に包まれイベントの幕を閉じました。